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目立にくい矯正装置、目立たない矯正治療装置とは

矯正治療のイメージとして、歯に針金(専門用語では矯正用ワイヤー)を貼りつける装置を思い浮かべる方もまだまだ多いと思いますが、マウスピース矯正という言葉をご存知の方も少なくありません。

矯正治療相談に来院される方にもマウスピース矯正を希望される場合が増えています。

マウスピース矯正にも色々な種類がありますが、当院は30年程前からダイナミックポジショナーというマウスピース矯正のネガティブな部分を独自の考えで修正して、

①ダイナミックポジショナーでは難しかった圧下と挺出が可能

②虫歯予防、歯周病予防も兼ねるマウスピース

③家にいる時だけ装着する

という特徴をもった矯正方法、矯正装置で対応しています。

【マウスピース矯正不適応症の場合には】

マウスピース矯正が適応しない場合もあります。その場合はワイヤー矯正を行いますが、画像のように白色の金具を使用する事で目立ちにくくなります。

 

ダイナミックポジショナーとは

ダイナミックポジショナーとは言葉で説明すると、

模型に起こした歯並びの状態を1歯1歯に切取って理想的な位置に並び替えてその状態でマウスピースを作ります。マウスピースを装着することで歯並びが理想的な位置に変化する、歯の位置を移動させる装置です。

ボクシングのマウスピースに似ています。

ダイナミックポジショナーは透明の軟性レジンや生体シリコンを使用しますが、1つのマウスピースでは歯の移動量に限界があります。

また、歯の圧下、圧下とは歯を根っこ方向に移動させることです。

たとえば下顎の奥歯を圧下させることができれば顎の位置も上下的に変えることができ、全体の歯並びを整えるうえで重要なテクニックです。

当院では挺出も含めて圧下が可能なマウスピース矯正法を考案し装置の製作に成功したことから、多くの患者さんに使っていただき矯正効果を感じていただいています。

当院オリジナルの矯正方法、矯正装置ということで”大口式スピードホーム矯正と呼んでいます。

ちなみに一般的なマウスピース矯正では前述して歯の移動量に限界があるため、複数個を製作して定期定期に取り換えて矯正を行います。

以前からある方法でしたが当時は歯の移動量を確認して必要であれば新たにマウスピースを作り直していました。現在はコンピューターシミュレーションによって歯の移動量を予測し、その予測に基づいてマウスピースを最初から複数個、製作する方法が主流となりました。

インビザラインが代表的な方法で、硬い素材のマウスピースを使用しています。

虫歯予防、歯周病予防も兼ねるマウスピースとは

大口式スピードホーム矯正では軟性の生体シリコンを用いています。

製作はコンピューターではなく歯科技工士に依頼しています。

その際に歯と歯肉の境目に生薬配合ジェルが貯留するのに適したスペースを設けて製作していただいています。

就寝中も装着するタイプですのでマウスピース内面にジェルを少量(小豆粒台)盛りつけて装着することで虫歯予防、歯周病予防も兼ねています。

歯面に接着する矯正装置を否定はしませんが歯磨きが難しく虫歯や歯周病に注意しなければなりません。マウスピース矯正のメリットの一つでもありますが、通常の歯磨き、歯ブラシが可能なため、虫歯や歯周病にはなりにくいと言えます。

さらに、生薬配合ジェルを使用する事で予防効果を高めることができました。

生薬配合ジェルはマスティック臨床研究会で考案、開発された製品です。

くわしくはこちらをご覧ください。↓

http://oog-nice-teeth.net/

 

家にいる時だけ装着するマウスピース矯正とは

一般的なマウスピース矯正は装着時間を長くするため、食事と歯磨き以外の時も装着する必要があります。これはマウスピース単体の矯正である以上、致し方ないと言えるでしょう。

当院でもその点についてはなかばあきらめていましたが、患者さんにしてみると学校や職場で装着し続けることは精神的な苦痛や営業職の方や接客業の方にとっては難しい場合もありました。

そこで、装置に一工夫することで家にいる時だけ(就寝時含む)装着すれば充分に効果を発揮することが分かりました。

家にいる時だけですので同居者にしか矯正をしていることは気づかれません。

外出時の装着は不要のため、本当の意味で目立たない、目立ちにくい矯正方法となりました。